抗がん剤の副作用で嗅覚や視力に異常がおきたら

嗅覚の異常(においがわからない)・視力の異常(視力低下・白内障など)

嗅覚の異常

嗅粘膜の変性が原因。亜鉛の服収不良の関与も。

鼻や口から入ったにおいの素(嗅素)は、品腔の奥にある、喫粘膜の細胞を刺激し、
その興奮が嗅神経を通じて脳に伝わると、においを感じることができます。
この経路のどこかに障害が起こると、正常ににおいを感じことができなくなります。

 

ある種の経口抗がん剤を長期にわたって服用していると、まれに嘆覚障害の副作用が起こることがあります。

 

主な抗がん剤として、ウラシル、テガフール、フルオロテガフル、
カペシタピン、ドキシフルリジン、イホスフアミド
などがあります。

 

原因はよくわかっていませんが、動物実験などから、
これらの薬剤の長期投与によって嘆覚器官の細胞分裂が抑制され、喫粘膜に変性が起こるためと考えられています。

 

また、フルオロウラシルなどは亜鉛の吸収を悪くすることがあり、
味覚障害と同じように亜鉛不足が関与しているという説もあります。

 

 

薬の服用を中止すれば改善、発見が遅れると回復不能に

一般に、抗がん剤で起こる感覚器の副作用は、薬の使用開始後に強く起こる傾向があります。
この時点で薬の服用を中止すれば、嗅覚はやがて正常に戻ります。

 

しかし、気づくのが遅れ、服用を続けていると、脱出(においがまったくわからなくなる状態)にまで至り、
服用を中止しても回復は望めないこともあります。

 

服用中に何ちかの異常がみられた場合は、すぐに医師に報告しましょう。

 

 

薬物療法や亜鉛摂取による根気強い治療か必要

抗がん剤が原因の場合は、使用の中止または変更が行なわれます。
それで改善しない場合は、ステロイド剤の点鼻療法や、ビタミン薬などの薬物療法が主体となりますが、
治療には相当の期間を要し、完治は望めないこともあります。

 

日常生活での対策も大切です。
亜鉛不足が原因と考えられる場合は、食生活の改善で進行を防ぐことができます。

 

亜鉛を多く含む食品には、魚介類(カキ、かずのこ、煮干しなど)や肉類(牛肉、豚レバーなど)
のほか、牛乳、緑茶、ごま、豆類などがあります。

 

バランスのよい食事を心がけましょう。

 

 

視力の異常

目の組織の炎症のほか見え方に異常が起こる

抗がん剤の副作用として起こる目の症状は、薬剤の種類や投与量によってさまざまです。

 

目の組織に感染性の炎症が起こることもあれば、見え方に異常があらわれることもあります。
なかには失明に至る副作用もあるので注意が必要です。

 

具体的な症状として、目やまぶたの炎症では痛みやかゆみ、目やにや涙目などがみられます。

 

見え方の異常では、視力低下、目がかすむ、ぼやける、まぶしい、物がゆがんだり小さく見えるなどがあげられます。

 

たとえばフルオロウラシルでは、シタラビンの大量投与では、結膜炎が高頻度で起こるため、
ステロイド剤の点眼が予防的に行なわれます。

 

そのほか、まれに目に副作用があらわれる薬剤として、
ゲフィチニブ、シスプラチン、カルボプラチン、フルダラビン、タモキシフエン、
ホスフェストロール、プレドニゾロンなどがあります。

 

 

注意したい白内障や緑内障。土早期には気づかないととも。

症状のあらわれる時期も薬剤によって異なります。
投与後すぐに起こることもあれば、数か月1数年経てから発症することもあります。

 

目の刺激感やかゆみなどは比較的早くあらわれますが、視野が白くぼやける白内障や、
視野が狭くなる緑内障などは徐々に進行します。

 

プレドニゾロンなどのステロイド剤の長期使用でおこりやすく、
早期にはきづかない事も少なくありません。

 

重症化すると外科治療が必要になる場合もあります。

 

 

定期的に目の検査を。異常かあれば医師に相談。

一般に、抗がん剤による目の症状の多くは、薬を中止すれば改善されます。

 

進行させないためには、医師に指示された目の検査を定期的に受けるとともに、
異常が認められた場合にはすみやかに医師に相談し、適切な処置を受けてください。

 

目やまぶたの炎症には、医師の処方する目薬や軟膏をつけます。
明るい場所で目がまぶしいときは、サングラスを着用します。

 

また、物がぼやけて見えたり、複視(物が二重に見える)や視野狭窄などの症状がある場合には、
別の原因も疑われるので医師とよく相談することが大切です。